天王寺区歯科医師会
天王寺区支部だより 145号 (平成16年10月発行)

■学術講習会並びに納涼食事会 8月7日 都ホテル大阪

大阪歯科大学麻酔学講座 小谷順一郎教授を講師にお迎えし、
「歯科診療所における救急処置について」と題して学術講習会が開催されました。講習会の要旨は以下の通りです。
 自動体外式除細動器(AED)の講習と2次救命処置の講習を支部で受けられたほうが良いです。(支部で準備
中)
 歯科治療中に起こる全身的偶発症はA.内科的疾患の急性増悪とB−1.脳貧血、B−2.過換気症候群、B−
3.エピネフリンの過敏反応、B−4.局麻中毒、B−5.アナフィラキシー反応に大別できる。
 上記は抑制症状(血圧低下、50前後の徐脈、呼吸抑制、意識低下、顔面蒼白、冷
汗、嘔気)と興奮症状(多弁、四肢の痙攣、強直、血圧上昇、頻脈、過呼吸)の表れ
方での鑑別が出来る。
脳貧血症状が表れ抑制症状が止まらなければ、硫酸アトロピン。
過換気症候群ではホリゾン、セルシン。癲癇の場合にも有効。
エピネフリンの中毒量は300ml。これによる痙攣にもホリゾン。
アナフィラキシーの場合は、リンゲルの点滴、塩化アドレナリン0.5mg皮下注。
内科でコントロールされている高血圧患者には、1.5カートリッジ(浸麻)まで
大丈夫。歯科診療所内で起こった救急事故に際しては、歯科医師が対応することに問題は御座いません。

 講習会出席者氏名
  加藤信次・中島徳人・村西憲一・広石憲一・松下尚生・阪田 収・森浦弘行
  桑島 悧・伊藤公雄・前田 敏・海原正典・中川雅夫・佐藤充男・岡林 真
  曽我時雄・平田哲也  (以上16名 敬称略・順不同)
(学術担当 平田哲也)

■地域医療講習会 9月4日 大阪歯科衛生士専門学校9F

 富田林支部副支部長の村田俊弘先生を講師にお迎えし、「要介護高齢者の摂食・嚥下障害と口腔ケア」と題して
お話して頂きました。事前に関係団体などに連絡をしておいた事もあり、歯科医師会会員以外にも多数参加頂きまし
た。先生の豊富な体験を基に基礎から臨床にわたり分かりやすく、ユーモアたっぷりにご講演頂き、あっという間の2時間
余りでした。
 摂食・嚥下は「感覚運動系」に属する機能で、発達と共に学習し、加齢と共に衰退する。摂食・嚥下の間接訓練と
して実際に食べ物を食べるのではなく、唾液の飲み込みテストがある。二点識別閾では、お互いに腕にボールペンの先
を押し当てて、その間の距離が近くなると2点ではなく1点として認識してしまう事を実験し、舌においては後ろの部分よ
り、舌尖部の方が感覚が鋭く、識別閾は小さい。食物の入り口は感覚が鋭いといえる。(子供の歯の萌出では前歯か
ら生えるが、前歯の方が臼歯より小さい力で感じ取ることができる事に関係しているのかも知れない・・と面白い話をして
下さいました)
 実際の臨床の場において、開口しない歯ブラシを咬む患者の場合、「過敏」になっているので、鈍感なところから触って
いくという「脱感作療法」を行い緊張を解きほぐしていく事が大切である。経管栄養(経口摂取禁止)の患者でも、口
腔ケアは必要である。
歯磨きは食事を食べる準備体操として(この場合はペーストは不要)、朝起きてすぐに歯を磨く意義がある。正月に餅を
喉に詰めるケースが新聞にも載るが、その時間帯に注目すると朝の一口目が多く、夜に詰めることはほとんど無い事から
も、朝起きての歯磨きはウォーミングアップとして意義がある。さらに食前の歯磨きは、食後のpH低下を防ぎエナメル質
の脱灰を防ぐことも1982年に報告されている。物を噛み締めた時、咬筋は緊張するが、このとき口輪筋は緩和してお
り、歯ブラシを咬んで抜けない患者には唇を合わせるのも有効な方法である。

 出席者氏名
 (天王寺区歯科医師会会員)
  田家 誠・加藤信次・松下尚生・村西憲一・前田 敏・西本達哉・中島徳人
  平田哲也・土居将男・曽我時雄・佐藤充男 (以上11名 敬称略・順不同)
 (天王寺区歯科医師会会員以外)
  歯科医師  阪田先生の弟さん・中島先生の娘さん(以上2名)
   その他
   天王寺区在宅サービスセンターゆうあい 看護師 新納 美鈴
   天王寺区役所地域保健福祉課 区役所職員 中嶋志津恵
   大阪赤十字病院 歯科衛生士 森本倫子・堀本ゆかり
   加藤歯科  長谷川哲也・西原美子
   さとう歯科 歯科衛生士 渋谷美奈・歯科助手  谷口久子
   コムスン 山本
   大阪歯科衛生士専門学校 先生2名、学生1名     (以上12名)

■会員家族バスツアー 9月12日(日)三田方面

 早朝の降雨に心配された天気もバスが出る頃にはすっかり晴れ上がり絶好の行楽日和に2年ぶりのバスツアーが開催
されました。永澤寺のそば道場では、8つのグループに分かれて実際にそばを打ちました。全員エプロンをして店主の説明
を聞きながら、いくつもの行程を経て包丁で細く切って、そばになる頃にはホッとしました。つゆに大根おろし、カツオ節、ネ
ギ、きざんだのり、わさびを入れて食べた蕎麦の美味しかったこと!苦労して打った甲斐があったというものでした。余ったそ
ばは、お土産にして持って帰る事ができました。次いで「さんだネスパ」では、風呂に入る人、プールで泳ぐ人、最初からビ
ールを飲んでる人・・グループに分かれて、最後は玄関横にて記念撮影を行い、大阪へ向かいました。日頃の疲れを癒
してくれた本当に素晴らしいバスツアーでした。

 参加して頂いた先生
 加藤信次・平田哲也・土居将男・ 曽我時雄・ 西村正夫・福井恵介
 岩本 治・宮尾憲明・遠藤三樹夫・五老海輝一・西本達哉
 とそのご家族    (計33名 敬称略・順不同)

■ソフトボール大会 9月23日(祝) 大阪歯科大学牧野グランド

 参加の先生方
  松下尚生・佐藤充男・森浦弘行・宮尾憲明・正力秀起・広石憲一
  村西憲一・加藤信次・曽我時雄・中島徳人・大村浩一・増田典男
   (以上14名 順不同・敬称略)
和泉市支部相手の第三試合、先発出場の打順は、1番キャッチャー堤・2番ピッチャー中川・3番センター宮尾・4番
ファースト増田(典)・5番セカンド正力・6番サード加藤・7番レフト大村・8番ライト岩本・9番ショート松下(尚)で、ジ
ャンケンに勝った天王寺区支部が先攻でした。
試合経過は、1回裏、ツーランホームランで二点。2回表、二人、ランナー出るが、無得点。2回裏、ランナーひとり出す
が中川投手の好投で無得点に抑える。
3回表、宮尾先生ヒットで出塁するが後続無し。3回裏、連打浴び4点取られる。
4回表、逆に連打や代打攻勢で4点奪い、ここまで4対6。この勢いなら勝利も夢じゃないと、応援団長の村西、中島
両先生方もおおいに盛り上がりました。4回裏、連打、ホームランなどで5点奪われる。5回表、またまた連打で盛り上
がり、二点を入れましたが、そこまで。結局6対11で敗れましたが、逆転できなかったのが不思議なほど盛り上がり、負
けたにもかかわらず記念撮影では皆、Vサインしていました。敢闘賞に、センターで攻守好打の宮尾先生、レフトでファイ
ンプレーを連発し、守備の時間を短くしてくれた大村先生、ピッチャーで最後までひとり投げぬいた中川先生が選ばれま
した。当日二時より血統書和牛と名物鍋「からら」にて打ち上げが行なわれました。
(報告:佐藤充男)

■80周年記念誌準備委員会報告

 会員の先生方のご協力を得まして、現在47名の先生方より原稿を回収させてもらいました。本当にありがとうござい
ました。残りの先生方にもぜひお願いいたします。なお今後は受付窓口が総務・西本になりますので、郵送または直接
持って来られる場合も下記の住所にお願いします。万が一、原稿用紙を紛失された方は、総務までご一報下さい。折
り返し郵送させて頂きます。
  〒543−0055 天王寺区悲田院町5−5 西本歯科医院
  (п@6771−8936)